製本図面(竣工図・施工図)のデータ化、外部委託する場合のスキャンサービス業者の選び方。3つの視点

A1,A2サイズの製本された図面(竣工図、施工図)が会社に沢山ある。これをスキャンしてデータ化し、直ぐに誰でも見られる様にしたい。改修の際、直ぐ参照、活用出来る様に整理したい。建設関係の会社に共通のお悩みごとです。
製本図面のスキャン業務を外部の業者に委託する場合、どんな観点で業者を選択すればいいか、そのポイントを解説したいと思います。



建設関係の会社の場合、図面のコピー・製本サービス業者(コピー屋、青焼き屋、青写真屋、複写業などと呼ばれています。)が普段から出入りしている場合が多いと思います。図面の印刷、製本を提供しているコピーサービス業者は紙図面のスキャンサービスも手掛けていますので、今すぐ必要な少数物件の製本図面をスキャンでデータ化、コピー等は、出入りのコピーサービス屋さんへの依頼で事足りると思います。ですが、会社にある製本図面(竣工図・施工図)を全部一括でスキャンしてデータ化するとしたらどうでしょう。所蔵量が多ければ相当な費用になりますので出入りのコピー屋さん1社の見積りで発注、とはなかなか決断し難いと思います。何社かの見積りをとって検討するという場合が多いのではないでしょうか。その際、これまで取引のない業者の中から見積り依頼業者を選ぶ基準について、費用のほか、どんなポイントでスキャンサービス業者を選べばいいのか3つの視点から解説していきます。

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目次
1、スキャン専業業者とコピーサービス業者の対応力比較
2、(1)製本図面スキャンサービスを提供している2業態
  (2)2種類の製本図面
  (3)大判製本図面スキャンが出来る2種類の専用機器
3つの視点から絞り込む
まとめ

【参考当社実績】




1、スキャン専業業者とコピーサービス業者及び当社の対応力比較

当社は、図面スキャンに必要な機器、ノウハウ、周辺サービスを完備しています。


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2、(1)製本図面スキャンサービスを提供している2業態

専用の機器が無いとスキャンでデータ化が出来ないこの製本図面について、スキャンサービスを手掛けている会社は大きく2つの業態に分けられます。先述のコピーサービス業者とスキャニング専業の業者です。パソコン検索で大判サイズの製本図面のスキャンサービスを手掛ける業者を調べると、沢山の業者が出てきますが、その中には大きく分けて2種類の業態が存在するのです。
その特徴はというと、
 コピーサービス業者は図面をスキャンする、コピーする、製本する。と日常的に図面を取り扱っています。普段の取引先業種も設計、建築、土木、エンジニアリング業界、製造業など、図面を介しての取引が中心です。
 一方、スキャン専業の業者は本来、書類関係のスキャンが専門です。一部、高解像度のスキャナーにより古文書、美術作品などのスキャンを手掛けている業者もあります。図面に関しては日常的に扱っていないのが現状です。


2、(2)2種類の製本図面

製本された図面はその形状から大きく2つに分けられます。竣工図、施工図などによくある、図面を半分に折り、冊子を開いた時に見開きで1枚の図面が見える様にした、二つ折り製本(*1)(背貼り製本、観音製本とも呼ばれます)と、工事請負契約書、建築確認申請書や、官公庁へ提出用、保存用などに見られる、図面を折り畳んでA4サイズ(古いものではB5サイズもある)にし、書類と一緒に左綴じした製本図面があります(表紙がA4の黒いハードカバーで、金文字で箔押し印刷してあるものが多い)。これを折込み製本(*2)といいます。折込み製本の中には綴じた図面・書類を外せるビス止め製本と、釘などで打ち込んで図面・書類を外せない固定製本があります。(契約書等は改ざん出来ない様にこのタイプです)

製本図面―二つ折り製本(竣工図。施工図など)
      折込製本―◦ビス止め製本(建築確認申請書など)
            固定製本(工事請負契約書など)
 

(*1)二つ折り製本    (*2)折込製本    
    

2、(3)大判製本図面スキャンが出来る2種類の専用機器

大判(A1・A2サイズ)製本図面をスキャンする為の専用機器として、フラットベットスキャナー(*3)とオーバーヘッドスキャナー(*4)という2種類のスキャナーがあります。前者は一般のオフィスにあるコピー機の形状で、原稿を置くためのガラス面がA1サイズに大きくなったものと思えばいいと思います。ガラス面に図面を伏せて置き、ガラスの下でスキャンヘッドが動いて図面を読込むタイプです。その長所は図面の寸法精度が良い事です。図面をガラス面に密着させた状態でスキャンしますので、広げた図面そのままの精度でデータ化出来ます。短所は作業性の悪さです。ページ毎に図面を伏せて置く作業が必要な為、A1サイズの分厚い製本などでは大変な重労働になります。
後者のオーバーヘッドスキャナーは図面を上向きに置いたまま、上方の離れた所から図面を読込むタイプのスキャナーです。長所は作業性の良さです。図面を上向きのままページをめくってスキャンする事ができます。従って、スキャンサービスも圧倒的に安価で提供できます。短所は寸法精度の悪さです。スキャンヘッドが機器の上方に固定されており、図面から離れた所から読込みするので、1枚の図面の中でも近い部分と遠い部分ができ、焦点距離が違ってきます。その焦点距離の違いから発生する歪みを自動で画像補正するのです。

(*3)フラットベッドスキャナー
 

(*4)オーバーヘッドスキャナー

オーバーヘッドスキャナー作業動画はコチラ

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3、3つの視点から絞り込む

2種類の製本図面のうち、二つ折り製本はオーバーヘッドスキャナーが有利です。作業性が格段に良く、スキャンサービスも圧倒的に安価で提供できます。しかしオーバーヘッドスキャナーはA1サイズまでの大きさしか対応できません。2つ折り製本の中でも折込みがあり、A1を超えるサイズの図面も沢山あります。読込んだデータを繋いで1枚の図面データにして欲しいというご要望もあります。プラントの計装設備フローシートなどで4枚、5枚のデータを繋ぎ合わせる場合もあります。その際にはフラットベットスキャナーが必要になります。オーバーヘッドでは寸法精度が悪い為キレイにデータが繋がりません。
また、折込み製本もフラットベットスキャナーが有利です。折込んだ図面は上向きのまま拡げても真っすぐな状態を保てません。沢山の図面を重ねた背の高い折込み製本でしたら尚更です。フラットベット、オーバーヘッド両方の機器を保有し、図面に応じて使い分けられる業者がお勧めです。

 2業態については、コピーサービス業者は図面の扱いが専門です。図面の印刷から製本を主業務にしているので、製本図面のスキャンは勿論、補修、再製本、複製など関連サービスは日常業務です。読み込んだデータのCAD変換などの応用も効く業者が多いでしょう。しかしその殆んどが、製本図面のスキャン業務をフラットベットスキャナーのみで対応しています。二つ折り製本も折り込み製本もフラットベットスキャナーで対応している業者が殆どです。必然的にスキャンサービス価格は割高になってしまいます。そこで作業効率の良いオーバーヘッドスキャナーですが、A1サイズの大判対応の機器は国内のメーカーがありません。ドイツからの輸入品です。高額でよほど多くの対応案件を抱えていなければ導入が難しいのです。今すぐ必要な図面データであれば少し割高であっても、近くのコピー屋さんで、フラットベット対応してもらう。そのコストの高さは許容範囲かもしれません。しかし大量の製本図面を一度に全部データ化しようとしたらどうでしょう。コスト差は非常に大きなものになります。オーバーヘッドスキャナー保有のコピーサービス業者は非常に稀です。
 近年、デジタルシフト、ペーパーレスの流れにより、会社保有の製本図面を全部まとめてデータ化に取組む傾向が顕著になってきました。そこで、書類スキャン専業の業者がオーバーヘッドスキャナーを導入して図面スキャン需要に対応する様になってきました。作業性の良さを価格に反映させて製本図面のスキャンサービスを展開しています。書類スキャンが専門ですので機密情報の扱いからセキュリティ体制は比較的優れています。ホームページもコストを掛けて綺麗に作られており、新規の取引業者に一定の基準を要求する大手企業さん等には良いイメージで伝わる事も多い様です。
 しかし、少し疑問に思うのです。スキャン専業の業者さんは大判図面対応のフラットベットスキャナーを保有していません。折込み製本は解体するかオーバーヘッドでムリに対応せざるを得ません。また大判図面の印刷機器も所有していません。図面のデータを画面上で閲覧するのと出図した場合、視認性が異なります。特に青焼き図面などはスキャンデータを等倍で出図して確認したい場合が出てきます。コピーサービス業者の場合、出図確認できますが、スキャン専業の業者では画面上のデータでしか確認が出来ないのです。
またスキャン専業の業者さんは製本を自社で制作した事がありません。解体方法や解体後の再製本のノウハウがないため完全に外部委託です。CAD対応もしていないでしょう。コピーサービス業者に比べ、図面に関しての知見やノウハウや経験値が圧倒的に劣ります。ホームページを見ても、図面のスキャンに600dpiなど必要以上の高解像度を推奨したり、青焼き図面について、殊更カラーデータ化を勧めたりしています。データ容量が大きくなり検索性も悪くなります。普段、図面を扱うお客様とのお取引がないため、ご要望や、注意点などを聞く機会がなく、どう調整、工夫すれば、文字・数字も読易くなり、またデータ化された図面がお客様先で、どう活用されるのか、後の活用されている様子を確認する事もない為、ただ高解像度を推奨するだけなのです。
 実際、大手建設会社の知人から、ネット検索で探したスキャン専業業者に試しにスキャン依頼した図面データを見せて貰った事があります。図面周囲の影は残ったまま、傾いた図面は傾いたまま、濃度は一定のまま。誇るセキュリティ体制はデータ品質の裏付けにはなっていませんでした。その後の書庫一式の図面データ化を当社で請け負い、出来上がりデータを見て、キレイで見易い、全然違う、とお喜びいただきました。

       補正なしの図面データ         トリミング・傾き補正した図面データ  


    濃度調整されていない図面データ      しきい値の調整により見やすくした図面データ 
 

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まとめ

製本図面のスキャンを外部委託する業者を選ぶ場合、オーバーヘッド、フラットベット両方の大判図面対応機器を保有している業者から選ぶことをお勧めします。あらゆる製本図面に対応出来、オーバーヘッドスキャナー利用で柔軟な価格対応をしてくれるでしょう。また図面のデータ化について関連サービス対応が可能なコピーサービス業者から選択する事をお勧めします。スキャン専業の業者は事図面に関しては経験、実績、ノウハウ、保有機器体制から考えて選択肢から外して良いと思います。その中で図面のデータ化についての豊富な実績がある業者からの選択をお勧めします。見積り依頼業者の中に是非当社を入れてください。

当社では製本図面のスキャニングで全国からご依頼実績がございます。
また当社は全国のコピーサービス業者(同業者)さんからオーバーヘッドスキャナーによる製本図面のスキャニング依頼を承っています。図面の扱いが専門の同業者さんに信頼されるデータ品質だと自負しております。製本図面のデータ化をお考えの際には是非ご相談を。


【参考当社実績】

【兵庫県建設会社様 書庫一式】
A1製本図面(青焼き製本) 32冊
A2製本図面(青焼き製本)124冊、
A3製本図面(青焼き製本) 29冊
総冊数:185冊
合計:約16,600ページPDFデータ化
原稿:引き取り、スキャン後、焼却処理(市営美化センター)
所要期間:約2カ月
総額:約260万円
経緯:普段からお取引のあるお客様で大量発注につき、参考のためと他社見積りを取られましたが、価格も大いにご納得でご依頼頂きました。

和歌山県建設会社様 書庫一式】
A1製本図面(青焼き製本)197冊、 
A2製本図面(青焼き製本)540冊
総冊数:737冊
合計、約27,000ページPDFデータ化
原稿:宅配便にて送付、スキャン後、返却送付
所要期間:約3カ月
総額:約370万円
経緯:地元の会社に見積り依頼したが高額につき、WEBサイトを通して当社に打診。訪問面談の上、詳細のご説明。ご納得いただきご依頼頂きました。圧倒的価格差と2重チェック対応を特にご評価戴きました。

【埼玉県建設会社様 書庫一式】
A3製本図面(青焼き製本)及びシート原稿 
ファイル図面及び折込み図面
合計、約90,000ページPDFデータ化
原稿:トラック便にて直接引取り、立会いで原稿確認と並行して積込み。スキャン後、融解処理(融解処理証明発行)
総額:約370万円
経緯:東京のスキャン専業の業者と相見積もりの上、価格とスキャン工程、体制による出来上がりデータ品質の違いを評価頂き当社にご依頼頂きました。エクセルでの一覧表から1クリックで必要物件のPDFが開くリンク、及び物件名で検索出来る仕組みのご提供をお喜び戴き、営業所案件の打診もいただきました。

【北海道建設会社様 書庫一式】
A1製本図面(モノクロ)
A1製本図面(カラー
A2製本図面(カラー)
A1製本図面(A0超長尺折込み、青焼き) 
合計、約5,000ページPDFデータ化
原稿:宅配にて送付、スキャン後、返却送付
所要期間:約1.5カ月
総額:約100万円
経緯:同業者さまを通してのご依頼です。原稿が古い青焼きの製本で、傷んで分断されているもの、破れているもの、クシャクシャに畳まれてしまったもの等、スキャンの前処理が大変な原稿がほとんどで、A1製本の中に折込んだ長尺図面も多く、色鉛筆で加筆の図面はカラーデータにして欲しい等、色々なご対応が必要で、当社にご相談頂きました。オーバーヘッド、フラットベット、シートスキャナー、フル活用でご対応しました。価格にもご納得で大変助かったとお喜び頂きました。

取扱い実績の一部として、書庫一式の製本図面データ化(大量案件)をご紹介しましたが、当社では、数量に関係なくご依頼をお受けいたしております。最低発注料金の制限もございません。1冊、2冊のデータが急ぎで必要、などの少量、短納期でのご依頼にも出来る限りのご対応をしております。製本図面のデータ化をお考えの際には是非、当社にお問合せください。


大判サイズ(A1・A2)製本図面のスキャンページはコチラ、無料お試し実施中!

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 このコラムは私が書きました。
 

 株式会社 菅 原 代表取締役 立岩敏哉

株式会社 菅 原 について
・1958年青写真屋として創業。
・図面の印刷、製本から始まりドキュメントの取扱い専門業者として63年の実績。
・「日本ドキュメントサービス協同組合」(旧:複写産業協同組合)所属。
・国交省他官公庁、ゼネコン、ハウスメーカー・製造メーカー様等を取引先とし
 時代の変化、お客様ニーズに即応しサービス内容を拡充、
 現在では全国対応の法人向けスキャンサービスを展開。
・業界屈指のスキャナー設備により、同業者からも信頼されるサービス品質を提供。
・2018年「大きいサイズのスキャン専門店」サイト
・2021年「書類・図面のPDF化専門店」サイトを開設