大きな絵画や書道作品・掛け軸などの長尺原稿を高精細スキャン!

当社は姫路城で有名な兵庫県姫路市にて、大型スキャナーによる長尺原稿、大型原稿のスキャニングサービスをご提供しています。長尺原稿、大型原稿に対応した様々なタイプの大型スキャナー機器を取り揃え、建築図面をはじめ、長半紙の書道作品や掛け軸などの長尺原稿、キャンバス画など厚みのある画材の絵画作品、和紙に描かれた古地図(字限図)、絶版の古書などの二次利用または保存用として、原稿の高精細スキャンによるデータ化サービスを全国のお客様に向けて、展開しております。

  

    

目次

1.これまでのスキャンの方法

2.当社の体制

3.お客様のご相談、とご対応

 【絵画のスキャン】
 【書道作品のスキャン その1】
 【書道作品のスキャン その2】
 【掛け軸のスキャン】
 【水彩画のスキャン】

4.主な機器の特徴と対応可能なサイズ、最大解像度

5.まとめ


1.これまでのスキャンの方法

旧来は写真撮影で対象物をデータ化する方法が一般的でした。写真撮影の場合、手ブレや撮影環境(明るさ等)によって、撮影データのクオリティーにばらつきが出てしまったり、撮り込んだ画像の編集が出来なかったりというデメリットがありました。また印刷屋さんや製版屋さんといった印刷に関わる業種では、ドラムスキャナーによる画像の取り込み、データ化がされていました(機器は廃盤になっていますが、現在もドラムスキャナーによるスキャンサービスをされている事業者さんもあります)。このプロユースの機材は大変高精細な画像の取り込みが出来ますが、スキャンサービス価格が高額で、しかも長尺原稿など大きいサイズのものには対応していません。またその名のとおり、原稿をドラムに巻き付けるので、曲げる事のできる原稿しか扱えません。



2.当社の体制

当社では、A0サイズのカラーフラットベットスキャナー(原稿を置くガラス面が912×1220mm)をはじめ、原稿幅が914mm以内であれば、30mの長尺原稿まで対応できる(条件によります)シートスキャナー、原稿に非接触でスキャニング出来るオーバーヘッドスキャナーなど多様な原稿に対応した大型スキャナー機器を取り揃え、手軽な価格で長尺原稿、大型原稿のスキャンニーズにお応えしております。

3.お客様のご相談、そのご対応

その中で、これまでご依頼いただいたお客様の、絵画や長尺原稿など大きなサイズのスキャンに関するご相談とご要望、そして当社のご対応、その一部をご紹介します。

絵画のスキャン
「子供が画用紙に描いた数々のクレヨン画、これらをどうにか思い出に残したい。でも大きな画用紙そのものを原物で残すのは保管場所の問題や日が経つと色褪せたり、用紙が傷んだりしてしまう心配もある。これをデータにして残すことが出来たら、成長してから大切な思い出として振り返る事が出来るし、画集を作成したりもできる。何とかデータにできませんか」というご相談でした。

(ご対応)
画用紙のサイズにもいろいろ在りますが、今回のご相談では4つ切りサイズ(545×393mm)と云われる一般的な画用紙の大きさでした。
当社では、このご相談に対して、3種類の対応方法があります。
先ずは、画質優先の方法で、カラーフラットベットスキャナー(*1)でのデータ化です。当社のカラーフラットベットスキャナーは、絵本などの出版物を手掛けている印刷屋さんのデザイン部門と共同でデフォルトのカラープロファイルを作成し、そこから原稿に合わせて色味調整をしています。原稿面がコンタクトガラスに接触しても大丈夫であれば、このスキャナーによるスキャンデータが最も高品質です。最大サイズ1220×912mmで最大解像度1440dpiでのデータ化(1ファイルサイズ2GBまで)が可能です。
次にシートスキャナー(*2)によるスキャンです。長尺原稿対応のスキャナーですが、原稿を端からローラーで搬送しながら読み込むので、原稿面の上をローラーが通ります。今回の様に1点ものの原稿の場合、直接ローラーが原稿に触れない様にキャリアシートと呼ばれる透明フィルムに挟んで原稿をスキャンします。最大解像度は600dpiです。色味の細かい調整は効きませんが、価格優先の場合にこの方法でスキャンします。
もうひとつはオーバーヘッドスキャナー(*3)によるスキャンです。原稿台から約1.5m上方にスキャンヘッドが有り、そこから画像を読み撮ります。原稿から離れた処からのスキャンですので少し画像に歪みがでますが自動補正してくれます。原稿に非接触でスキャン出来るのが大きな特徴です。最大A1サイズ(841×594mm)まで対応で、最大解像度は600dpiです。写真の様な映りになります。
今回のご相談では、価格優先で長尺原稿対応のシートスキャナーにより、キャリアシートを使ってスキャニングをさせていただきました。ご希望どおり作品がデータ化できて大変お喜びでした。

※1 カラーフラットベッドスキャナー ※2 シートスキャナー ※3 オーバーヘッドスキャナー
            

書道作品のスキャン その1
書道教室の先生からのご依頼です。「教えている生徒さんに配るお手本を長半紙に何種類も、何十枚も書くのが大変なので、1種類ずつ見本を書くので、スキャンして各人数分、印刷して欲しい」とのご要望です。

(ご対応)
こちらのお客様は定期的にご依頼いただくお客様で、見本の半紙サイズは全て半切、条幅です。長尺原稿対応のシートスキャナーを使いますが、スキャン原稿が生徒さんの作品ではないので、原稿保護のキャリアシート(原稿保護のための透明フィルム)なしでダイレクトにスキャンで良いというご指示です。そのぶん安価でご提供できます。シートスキャナーでデータ化し、大判プリンターで印刷します。生徒さんが用紙に対して文字の配置がどの様なバランスかを見ながら練習するので、出力紙を原稿の長半紙と同じ大きさにカットして欲しいとのご希望です。定寸幅のロール紙に印刷するので、幅方向は手切りでカットします。全ての見本を手書きするのは体力的に負担が大きくなってきたので助かると言っていただいています。

書道作品のスキャン その2
書道教室の会報誌を印刷されている印刷会社さんからのご依頼です。「月刊誌の原稿づくりに生徒さんの作品をデータ化して欲しい」というご依頼です。

(ご対応)
毎月、定期的なご依頼で、毎回350~370作品ほどをお預かりします。
作品は、一般的な半紙(約33.4×24.3cm)から半切・条幅(約34.5×136cm)と呼ばれる長尺の用紙ほか、さまざまなサイズの書道紙があります。中には硬筆の作品もあります。
生徒さんの1点物の作品ですので、原稿を傷めないよう、長尺原稿はキャリアシートで挟んでシートスキャナーで、通常の大きさの半紙は手置きでフラットベットスキャナーで、データ化します。印刷屋さんの編集作業があるので短納期でのデータ化を要求されます。以前は写真撮影で対応していたとの事。データの品質、後加工のし易さからスキャンでのデータ化の方が良いと、ご評価いただいています。

掛け軸のスキャン
「家で代々大事にされてきた由緒ある掛け軸だが、この度、残念ながら手放すことになった。せめてデータにして思い出に手元に残しておきたい。本紙だけでなく、風帯と呼ばれる飾りなどを含んだ本体全部をデータ化して欲しい」というご要望でした。

(ご対応)
この度の掛け軸は、尺五立と呼ばれる、幅61cm、長さ190cmの長尺寸法でした。掛け軸は表装により、飾りや、軸棒とよばれる重石を通す為の袋縫いがされているため、厚みがあり、長尺原稿を1スキャンで撮れるシートスキャナーが使えません。フラットベットスキャナーの最大長が120cmなので、上下に分けてスキャンし、Photoshopでデータを繋ぎ合わせ1枚のデータにしました。
複製した印刷物も欲しいとのご希望でしたので、蛍光灯などの光で色褪せし難い、顔料インクタイプの広幅インクジェットプリンターで印刷してお渡ししました。大変お喜び頂きました。

長尺原稿スキャンサービスページ


 

水彩画のスキャン
「趣味で描いている水彩画、スケッチブックに綴られていますが、これらをデータ化して、文字を入れて編集して、カレンダーを作りたい。A3より少し大きいので、一般的なA3スキャナーでは読み取れない。大きなスキャナーでスキャニングしてデータにして欲しい」とのご要望。ご自身でイラストレーターを使ってデザイン編集されるとの事。データ容量が余り大きくなるとパソコンが動きにくくなるので、軽いデータにして欲しい、とのご希望でした。

(ご対応)
この度の原稿、スケッチブックはF8(452×379mm)サイズでした。最終的に印刷物を作成する事になるので、フラットベットスキャナーにより高解像度の400dpiでスキャン。元データはCMYKのTIFFデータにて保存、データ容量が大きいので、編集用にJPEG変換で容量を軽くしたデータと2種類の形式で納品しました。
デザイン編集の際、JPEGデータをご自身で更に解像度をもう少し落として編集されたとの事でした。出来上ったデータからカレンダー印刷のご注文も戴きました。

よくあるご質問・Q&Aはコチラ

4.主な機器の特徴と対応可能なサイズ、最大解像度

〇 カラーフラットベット【原稿をガラス面に置き撮り】
1220㎜×912mm 1440dpi (30000pic 、2GBまで)
パネルなど厚みのある原稿にも対応

〇 カラーシートフィーダー【長尺原稿用】
914mm幅 30m(条件による) 600dpi
(グレースケール 65500pic ,15000㎜まで)
(カラー 65500pic ,7500㎜まで)
白黒(2値)、白黒疑似諧調(2値)、グレースケール、フルカラーの4モード

〇 カラーシートフィーダー【地図・ポスター用】
42インチ 光学解像度 508dpi 読み取り解像度 50~9600dpi(1dpi刻み)

〇 モノクロシートフィーダー【長尺原稿用】
914mm幅 30m(条件による) 600dpi
 白黒反転、ミラー(鏡像)の編集可能

〇 モノクロフラットベット【原稿をガラス面に置き撮り】
最大A1(841×594㎜) 600dpi
主に製本図面に使用。地肌調整により青焼き図面もキレイに

〇 カラーオーバーヘッド【原稿非接触で上方からスキャン】
 A1(841mm×594mm) 600dpi
製本その他に対応。非接触につき傷んだデリケートな原稿など

5.まとめ

当社は、もともと大きな図面の印刷・製本などを手掛けておりました。
そして紙図面のデータ化、製本図面のデータ化、そこから派生して、印刷会社さんとのお取引などから、ポスター、書道作品、掛け軸、絵画作品などの長尺原稿、大型原稿のデータ化ニーズにお応えして設備機器を取り揃えてまいりました。そして、それら群を抜いた設備機器と培ったノウハウにより、一般のお客様の大型イラスト作品や、型紙、布地などあらゆる多様なスキャンニーズにお応えすべく、「大きいサイズのスキャン専門店」サイトを立ち上げました。
お客様の中には、文化財などを専門に扱う業者さんに相談したら、1点数十万円と云われ当社にご相談いただいた例もございます。当社の設備とノウハウをより多くの方に利用いただき、あらゆるスキャンニーズにお手軽な価格でお応えしていきたいと思っております。大きいサイズのスキャンについてはお気軽に当社へご相談ください。

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このコラムは私が書きました。
 

 株式会社 菅 原 代表取締役 立岩敏哉

株式会社 菅 原 について
・1958年青写真屋として創業。
・図面の印刷、製本から始まりドキュメントの取扱い専門業者として63年の実績。
・「日本ドキュメントサービス協同組合」(旧:複写産業協同組合)所属。
・国交省他官公庁、ゼネコン、ハウスメーカー・製造メーカー様等を取引先とし
 時代の変化、お客様ニーズに即応しサービス内容を拡充、
 現在では全国対応の法人向けスキャンサービスを展開。
・業界屈指のスキャナー設備により、同業者からも信頼されるサービス品質を提供。
・2018年「大きいサイズのスキャン専門店」サイト
・2021年「書類・図面のPDF化専門店」サイトを開設