【スキャニングした図面はどう保管する?PDF化が選ばれる7つの理由とは】

スキャニングする予定の図面。
どのような形で電子保管するのか、悩んでいませんか?
データ化した図面の保存には、 
・PDF
・JPEG
・TIFF
・BMP
・PNG
など、さまざまな方法がありますが、特に理由がない場合はPDFで保管するのがおすすめです。          
PDFで保管後、その他形式への変換も可能なため、迷ったらPDFを選択しましょう。
今回は、なぜPDF形式が支持されているのか、PDFが選ばれている7つの理由と注意点をご紹介いたします。

目次

1.そもそもPDFとは

2.図面スキャンでPDFが選ばれる7つの理由
 2.1 無償で利用できる
 2.2 OSを問わず閲覧できる
 2.3 複数画像をまとめられる
 2.4 メールで送付しやすい
 2.5 セキュリティが守られる
 2.6 書き込みができる
 2.7 文字検索ができる

3.図面をPDFにする際の注意点
 3.1 ページ数が多いと重くなる
 3.2 思った形で表示されない
 3.3 バックアップを取っておく

4.まとめ

 

1.そもそもPDFとは

PDFは、アメリカのAdobe社が開発したファイル形式です。
Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)の略語で、日本語では、「持ち運び可能な文章形式」という意味になります。
言葉の通り、PDF化することで、多くの書類や図面をコンパクトにまとめ、持ち運ぶことが可能です。
ビジネス文書の保存に多く使用される形式ですが、図面のスキャニングにも活用されています。
PDFの大きな特長の一つに、データを紙のように取り扱える、という点が挙げられます。
印刷ページと同じ状態で閲覧できるため、イメージを掴みやすい、編集がしやすい形式として知られています。
図面は印刷して使用する場面が多いことから、PDFと相性が良いと言えます。
スキャニング後の図面を、必要に応じて出力し、作業を進めたい場合はPDFを選択してみてください。

 

2.図面スキャンでPDFが選ばれる7つの理由

図面のスキャニングをPDF形式にしておくと、多くのメリットがあります。
PDFで何ができるのか、選ばれている7つの理由をみてみましょう。

2.1 無償で利用できる

PDFは無償で利用できるシステムです。 パソコンやスマホから、「Acrobat Reader」を無料ダウンロードするだけで、誰でも気軽に利用できます。
登場した当時は高価な有料ソフトでしたが、「Acrobat Reader」は無料配布され、広く利用される様になりました。  
ほとんどのパソコン、スマホに「Acrobat Reader」が入っていることもあり、顧客や取引先とのやりとりもスムーズです。
スキャニングした図面の管理、図面の活用に費用をかけずに便利に利用するには、PDF化がお勧めです。

 

2.2 OSを問わず閲覧できる

「Acrobat Reader」は、OSを問わずダウンロード可能です。
OS間のよくあるトラブルの一つに、
「Macで作成したpages形式の文書がWindowsで開けない」
といった問題があります。
その点PDFはOSを問わず閲覧できるため、やりとりがスムーズです。
合わせて確認したいWordやExcelのファイルがある場合、一緒にPDF化して届ければ、OS問題を解決しながら、体裁を整えられます。
他社へ印刷や出力を依頼する場合も、PDFでの入稿を求められるケースが少なくありません。
PDF化で、自分も相手もストレスなく作業できる環境を整えておきましょう。

2.3 複数画像をまとめられる

PDFは、複数の画像ファイルを1つにまとめられます。
いくつかの図面をまとめて閲覧したい際に、非常に便利な機能です。
複数画像をまとめることをPDFファイルの「結合」といいます。
結合は、「Acrobat Reader」ではできません。
「PDFelement(PDFエレメント)」をダウンロードの上、作業を進めましょう。
「PDFelement(PDFエレメント)」も、「Acrobat Reader」と同じく無料ダウンロード可能です。

2.4 メールで送付しやすい

建築関連の図面、工事や設備関連の図面、工場の金型図面など、図面をメールで送付する場面が少なくありません。
この時、スキャニングした図面をPDF化することで、ファイルサイズを小さくできます。
受け取った側は、
「ダウンロードがすぐに終わる」
「パソコン内に保管しても容量を取られない」
といったメリットが得られます。
メールで送付した時に画質が落ちにくい点も、PDF化するメリットです。

 

2.5 セキュリティが守られる

会社にとって、財産に等しい価値を持つ図面。
取り扱いの際のセキュリティは、特にこだわりたい部分です。
PDF化した文章を共有する場合、複数の方法でセキュリティ設定ができます。
・パスワードによる閲覧、印刷、編集、コピーの制限
・証明書によるPDFの暗号化
このような機能を無料で利用できるため、複製されては困る図面、送り主以外には閲覧不可にしたい図面を送付する場合は、積極的に利用しましょう。
図面を扱う際に、特に神経質になりがちなのが転用です。
自社の図面を編集、コピーしての二次利用や転用、盗用を避けるためにも、設定を忘れないでください。
悪意が無い場合も、
「ファイルの中身を意図せず書き換えてしまい、図面通りの仕上がりにならなかった」
といったトラブルが考えられます。
面倒でもPDFをやりとりする場合はパスワード設定、暗号化設定をした上で、取り扱うようにしましょう。

 

2.6 書き込みができる

PDFには、書き込み機能がついています。
一般的な画像ファイルとは違い、テキストや注釈、ハイライトを入れる機能がついているため、パソコン上のデータであっても紙のように扱えます。
図面を送る際に、相手へ分かりやすく注意点や伝言を届けたい。
特に注意してほしい部分が目立つようにハイライトを入れたい。
そんな要望を叶えてくれます。
デジタル図面へ自由に書き込みしたい場合は、PDFを選んでみましょう。

 

2.7 文字検索ができる

「図面内でチェックしたいワードがあるけれど、画面上ですみからすみまで探すのは大変」
「必要なワードを探すために、図面をプリントアウトした上で、目視でチェックしている」
このようなお悩みはありませんか?
知らない方もまだ多いのですが、PDFファイルはデータの文字検索が可能です。
ツールバー内にある虫メガネのアイコンを選択すると、検索したい文字を入力できます。
検索した文字の置換にも対応しています。
高度な検索を利用すれば、複数のPDFを対象にした検索も可能です。
くわしい方法は、以下公式ページをご参照ください。

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cq07101340.html

3.図面をPDFにする際の注意点

便利なPDFですが、メリットばかりではありません。
より上手に活用するために、注意するべき点も覚えておきましょう。

3.1 ページ数が多いと重くなる

ファイルサイズが小さいPDFですが、量が増えれば重たくなります。数枚程度なら問題ありませんが、大容量のPDFファイルを送付する場合は、圧縮して送りましょう。
状況に応じて、jpeg変換や圧縮してから相手へ届けるのも一つの手段です。
jpegはPDFより小さなサイズですが、画質面ではPDFの方が勝ります。
用途に応じて選択しましょう。

3.2 思った形で表示されない

PDFファイルに特殊なフォントを使用している場合、レイアウトが崩れてしまう場合があります。また表示の設定によっては、線の太さなどが実際と違って見えてしまいます。
PDFへテキスト入れる場合は、一般的なフォントで入力するようにする。
モニターはつねに100%で表示するようにすると、トラブルを避けられます。

3.3 バックアップを取っておく

PDFに限りませんが、図面をスキャニングしてデータ化する場合、端末のウイルス感染や不正アクセスといった点に注意が必要です。
セキュリティ対策ソフトを入れておくのはもちろん、図面のバックアップを取っておき、万が一に備えておきましょう。

4.まとめ

スキャニングした図面を幅広い場面で活用する、ストレスなく顧客や取引先とやりとりするならPDF化がおすすめです。
大きいサイズのスキャン専門店は、図面のPDF化に対応しております。
図面のスキャニングをご検討でしたら、お気軽にお申し付けください。
その他にも、「TIFF」「JPG」「PNG」「EPS」「PSD」「GIF」など、幅広い形式に対応しております。
図面の使用用途、目的に応じて最適なファイル形式のスキャニングを提供いたします。

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 このコラムは私が書きました。
 

 株式会社 菅 原 代表取締役 立岩敏哉

株式会社 菅 原 について
・1958年青写真屋として創業。
・図面の印刷、製本から始まりドキュメントの取扱い専門業者として63年の実績。
・「日本ドキュメントサービス協同組合」(旧:複写産業協同組合)所属。
・国交省他官公庁、ゼネコン、ハウスメーカー・製造メーカー様等を取引先とし
 時代の変化、お客様ニーズに即応しサービス内容を拡充、
 現在では全国対応の法人向けスキャンサービスを展開。
・業界屈指のスキャナー設備により、同業者からも信頼されるサービス品質を提供。
・2018年「大きいサイズのスキャン専門店」サイト
・2021年「書類・図面のPDF化専門店」サイトを開設